研究課題/領域番号 |
62550079
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
村上 敬宜 九州大学, 工学部, 教授 (10038010)
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研究分担者 |
鶴 秀登 九州大学, 工学部(昭和62年度), 助手 (10038060)
小林 正木 九州大学, 工学部, 助手 (90037789)
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キーワード | 疲労 / 微小き裂 / 変動荷重 / き裂発生限界応力 / 累積疲労被害 |
研究概要 |
すでに存在するき裂からのき裂発生限界応力に注目して、過大応力と過小応力を頻繁に繰り返す2段多重疲労試験を行い、累積疲労損傷値Dの変動の範囲とその変動理由を明らかにした。得られた結論は以下のようにまとめられた。 (1)過小応力σLがき裂のからのき裂発生限界応力σHより高い場合と低い場合とでは、き裂伝ぱ挙動におおきな違いが生じる。σL>σWiの場合は、初期から過小応力が疲労損傷に大きく寄与する。 (2)修正マイナー則にもとづくDはσHとσLの組合わせ次第で1.0よりいくらでも大きくなる。しかし、実際問題として重要なのはDが1.0よりかなり小さい値をとる場合である。例えば、本実験で得られたDの最小値は0.18である。本研究では、σHとσLの組合わせが与えられたときDの最小値を予測する1つの方法を示した。Dがこのような広い範囲で変動するのは材質の統計的ばらつきのためでなく、応力の変動と微小き裂寸法の相互関係によるもので、明確な力学的理由によるものである。 (3)変動応力下において過小応力が疲労被害に与える影響は、応力の大きさとそのときのき裂長さの相互関係により大きく異なることが本研究の結果から予測できる。したがって、変動応力下において応力順序が変化すると寿命が異なる原因もこの点から理解できる。
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