研究概要 |
本年度実施計画に基づき研究を遂行した結果, 以下の成果および知見が得られた. 1.通常の成形条件下で型内樹脂流動を観察するために, 石英ガラスのプリズムをコアとしてメタルモールドに組み込んだ, ガラスインサート金型の設計・試作と, 画像計測システムの構築を行なった. 2.射出圧力が500kgf/cm^2以上の成形実験を通して, 本試作型によって型内樹脂の挙動観察が可能であることを確認した. 3.ジェッティング, ウェルドラインの形成過程を初めてVTR静止画像としてとらえ, 本手法が流動過程における成形不良現象の機構解明に有効であることを示した. 4.ショートショット法の精度を検証し, 結晶性樹脂では射出終了後にフローフロントが型内で前進するのに対し, 非晶性樹脂では全く変位しないことを明らかにし, 前者の場合, ショートショット法がその流動過程を正確に再現していないことを指摘した. 5.各種流動シミュレーションの結果と比較し, これらの検討手法として, 本手法が有効であることを示した. 今後, 本研究は, 次の計画に沿って遂行される. 1.現在設計検討中の2重プリズム機構により2方向から同時観察のできるガラスインサート金型の試作, 評価試験を行なう. 2.これまでに完成した画像計測システムと画像処理システムを連結し, 計測から解析に至る一貫システムにまとめ上げる. 3.金型キャビティ部を変更することにより, ゲート部, 均厚変動部などの各種形状因子と樹脂流動, 各種不良現象との相関を画像計測と処理結果を通して具体的に明らかにする.
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