まがり歯かさ歯車の負荷特性に関する従来の研究はほとんどみられず、今後研究を進めていくための重要なテーマと考えられる。研究の実績としては交付申請書に従って着実に進めている。具体的には (1)実験装置の歯車箱を製作した。鋳造は外注し、機械加工は本学の機械工場で行った。 (2)基本台と基盤用の鉄板を製作することを行った。 (3)トーションバーと荷重をかけるための継手がとりつけられるよう装置を作り上げた。 (4)申請した歯車損失測定装置(トルクメータ)2台を購入し、1台は動力循環系内にとりつけ、他の1台はこの系外にとりつけた。 (5)試験歯車はグリーソン歯切盤により歯切りされた曲り歯かさ歯車で、モジュールm_n=4.47、歯数39/9、大歯車の外径175.1^<mm>、小歯車の外径52.0^<mm>である。浸炭焼入れしたものである。 荷重のかけ方は階段的に、小荷重の段階から次第に高荷重の段階へ高める方法をとっている。回転数は、小歯車の軸でn=1500、3500、4950Mpmとしている。 スコーリングの発生する荷重は、潤滑油の種類により大きく影響されることがわかった。この点は、ハイポイドギャ(特にオフセットを大きくした場合)の結果とは異なることがわかった。 今までは、かさ歯車の負荷特性としては、単にそれに相当する円筒歯車におきかえて論ずればよかったが、今後の厳密な設計に対応していくためにはこれを見直して、新しくかさ歯車特有の設計方針をうちたてる必要があることを感じた。
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