研究概要 |
軸回りに回転している直管内に流入する均一流(レイノルズ数Re=4×10^4)に対して, 外部のスピーカによって変動速度が主流速度の0.1%となる正弦波振動の外乱(80〜200Hz)を加えた場合, 回転管入口助走部における層流境界層の乱流への遷移に及ぼす影響を熱線風速計を用いて実験的に調べ, 以下のことを明らかにした. (1).管を回転させると, 音波の周波数にかかわらず, 低い回転率N≧0.3(ここでNは管壁の周速度Voと断面内平均流速Umとの比)で速度変動に規則的な低周波(約80Hz)があらわれる. この規則的な速度変動は層流境界層の中央で最も振幅が大きく, 境界層内にらせん渦列が発生したことを示す. (2).音波による外乱を加えると, 入力周波数が低い場合, 管回転による不安定性のため変動が増幅され, 層流から乱流への遷移を著しく早める. しかし, 音波の周波数を高めて200Hzにすると, 流れへの影響は弱まり, 音波を入れないときとほとんど変らない. (3).低周波の周期的変動が下流方向に崩れて乱流に直接遷移する際には, 軸方向の速度変動波形にヘアピン状のスパイク波形が見られる.
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