研究課題/領域番号 |
62550130
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
辻 裕 大阪大学, 工学部, 助教授 (10029233)
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研究分担者 |
田中 敏嗣 大阪大学, 工学部, 助手 (90171777)
吉岡 宗之 大阪大学, 工学部, 助手 (10029267)
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キーワード | 混相流 / 固気二相流 / 最小輸送速度 / 軌跡 / 衝突 / 反発 / 確率密度 |
研究概要 |
前年度の研究では、主に風胴内に固定した球の抵抗およびその後流に対する非定常の影響を実験的に調べたが、今年度は前年度の後半から始めた実際の管路内の粒子の運動に注目した実験を行った。まず、粒子が管内にとどまることなく輸送されるような最小気流速度を測定した。次いで、ビデオカメラで粒子の軌跡を撮影し、そしてその軌跡に基づいて管断面内における粒子存在位置、確率密度分布を求めた。 得られた結果を要約すると以下の通りである。 1.粗大粒子の場合、粒子と管壁の衝突が管断面内での粒子運動に対して大きな影響を与える。 2.管断面内での粒子運動と粒子の存在位置は気流速度や粒径などのほかに、粒子一壁面間の反発係数ならびに粒子の形状に大きく左右される。反発係数が大きいほど、あるいは粒子形状の非球形度が大きいほど、粒子は管断面内で均一に分布しやすい。 3.気流の速度勾配と乱れは粒子存在位置の確率密度分布(粒子群を含んだ流れにおける粒子濃度分布に対応する)および管断面内での粒子速度成分に対して支配因子にならない。 4.単粒子を輸送できる最小気流速度は、粒子の直径、密度だけでなく、粒子の形状にも依存する。長軸と短軸の比が1.21〜1.30の範囲にある楕円体を用いた場合の結果は、球状粒子の場合の結果とそれほど違わないが、円筒ペレットのような極端な非球形粒子を用いた場合は、球状粒子に比べ、最小輸送速度がかなり低くなる。 これらの結果は今後、固気二相流数値シミュレーションに有益な基礎情報を提供できるものと思われる。
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