研究概要 |
(2次元解析): 2次元空間において, 最密充填率以下の任意の充填率において, 同一径の多数の平行円柱を規則的あるいは不規則に並べるプログラムと, その動径分布関係を用いて配列のランダム性を調べるプログラム, 及びこの円柱の配列中での放射伝熱の透過性を求めるプログラムを作成した. また, これらプログラムを用い, 充填率, 円柱表面放射率, 及び配列の規則性を変化させて, 充填層中での放射伝熱の透過のミクロ的な特徴を明らかにした. この結果, 規則配列では, 2つの円柱間を通り抜けてつぎの円柱の入口側に衝突するコリメートビームと, 多数の円柱の斜め方向の隙間を通過していくストリーミングビームがあり, 前者は円柱の, 放射の透過方向に対して上流(入口)側に衝突するため, 透過を大きく阻害するが, 後者は円柱の側面に衝突するため, 透過を阻害する程度が少なく. 配列の不規則性を増加させると, 一たんストリーミングビームがしゃ断されるため透過が悪くなるが, さらに不規則性を増加させると, コリメートビームが上流側だけでなく側面にも衝突するようになり, 透過性が増加することがわかった. また, 2次元配列では, 配列の不規則性を増加させるに従い, 上述の透過性が増加する効果と, 各円柱間に距離の狭い部分があちこちにできて, 透過を妨げる効果がお互いに打ち消し合い, 全体として透過性はあまり変化しないことがわかった. (3次元解析): 3次元空間において, 同一径の球を最密充填以下の任意の充填率で, 規則的あるいは不規則に並べるプログラム, 及びその動径分布関数を用いて配列のランダム性を調べるプログラムを作成した. (実験): 上記2つの解析結果確認のため, 各不規則配列円柱まわりの放射の, 受熱量分布測定のための光学装置の組み立てを行い, 上記2次元解析結果をもとに, 試験体を設計中である.
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