研究概要 |
1.表面センサー形キャパシタンスプローブを試作し, 伝熱管近傍(表面より5mm以内)の粒子密度の測定に成功した. 2.白金薄膜瞬間熱流束計の試作は, 薄膜が粒子の接触によって時間と共に特性変化をおこし, 信頼できる値が得られないので, 輸入品の超薄形熱流束計(R&F社)を購入使用した. その精度は, 単相強制対流熱伝達率の測定によって確認した. 3.低密度の浮遊粒子中に単一および一列水平管群を設置し, その管表面に上記のキャパシタンスプローブと瞬間熱流束計をとりつけ測定し, 以下の結果を得た. (1)局所熱伝達率は, 後方領域で著しく増加する. (2)空塔速度の増加に伴って, 前方領域の熱伝達率は, 浮遊粒子密度の低下に伴って低下する. (3)熱伝達率は, 浮遊粒子密度の大小とその時間変化に相当するRMS値に支配される. 低速域では, 基本的に浮遊粒子密度に支配されるが, 流速の増加と共に, 密な粒子群と粗な粒子群の形成が起り, 密な粒子群の頻度と粗な流離群の頻度の関係, およびその周期によって熱伝達率は支配される. (4)伝熱のメカニズムは主として境界層更新モデルで説明することができる. 4.上記データの統計処理によって, 定量なモデルを構築中である. 最後, 今回の結果は, 9月にユーゴスラビアでの伝熱, 流力および熱力学の国際会議で発表する予定.
|