研究課題/領域番号 |
62550153
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
香月 正司 大阪大学, 工学部, 助教授 (20029292)
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研究分担者 |
中部 主敬 大阪大学, 工学部, 助手 (80164268)
水谷 幸夫 大阪大学, 工学部, 教授 (80028993)
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キーワード | 焼燃ごう音 / 焼燃騒音 / 火炎診断 / 熱発生率変動 / 音圧変動 / 乱流火炎 |
研究概要 |
昨年度の結果として、ブンゼン形乱流火炎の発生する燃焼音は、主として火炎ブラシ先端における熱発生率変動によって生じ、この熱発生率変動は、イオン電流あるいは化学発光強度とよく対応することが明らかになった。 引続き行った研究の結果、バーナロ近傍のせん断層の不安定によって生成されるじょう乱は、乱流渦の燃焼によって増幅されつつ、火炎帯に沿って上方へ伝ぱする。一方、熱集中によって予熱された中心流管は、火炎先端付近で伝ぱしてきたじょう乱によってランダムに点火されて、火炎先端を振動させ、火炎先端燃焼ごう音を発生する。そしてランダム点火のこん跡が、内炎先端から上方に流出する。また、噴流と周囲流体の境界において、燃焼ガス噴流の乱れとせん断により、噴流騒音が発生する、というブンゼン火炎の燃焼音発生機構が明らかとなった。 火炎中の変動が、上流から流入する混合気流中に存在する固有の変動によって、引き起こされる可能性があるので、近寄り流れ中の乱れとイオン電流の相関を調べた。その結果、両信号間には相関のないことが分かった。つぎに熱線風速計をマイクロフォンプローブに代え、近寄り流れの圧力変動と、イオン電流および燃焼音との相関を調べた。これらの信号も互いに無相関であることが判明し、測定された音は、近寄りながれ中の変動とは無関係であることが示された。 燃焼ごう音の発生原因となる熱発生率変動を捉えるために、本研究ではOHラジカル発光とイオン電流の変動を測定したが、これらは、いずれも局所熱発生率とよく対応し、これらの量と良い相関を示す燃焼音の測定とともに、乱流火炎の診断に有効な手段となることが期待できる。
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