研究概要 |
蒸発器と下向き凝縮面を組み込んだ浸漬凝縮実験容器と補助凝縮器よりなる実験装置を製作し, 矩形の平滑凝縮面およびローフィン付凝縮面に関する実験を行った. 試験流体としてはR113およびメタノールを使用し, それぞれの面について中心線上に高さの異なる多孔質排液板を取付けることによる伝熱促進効果を調べた. なお, 実験は凝縮面が蒸気空間中に設置された場合と, 液中に浸漬された場合について行い, 両者の伝熱特性を比較した. 現象観察によれば, 凝縮面が液中に浸漬されている状態から実験を開始した場合についても, 定常状態に達した後には凝縮電熱面の下部に蒸気空間が形成された. 蒸気空間高さは凝縮温度差ΔTが小さいほど大きく, ΔT>10Kではほぼ0になった. 従ってΔT>10Kでは蒸気空間型と浸漬型の凝縮面の伝熱特性には差が見られず, 浸漬型のローフィン付凝縮面についても多孔質排液板を取付けることにより伝熱が促進されることが明らかになった. 平滑面と比較した伝熱促進率は一般に多孔質排液板高さhとともに増大し, R113についてはh=1.4mm, メタノールについてh=6mmにおいてそれぞれ2.6および4.0となり, これ以上hを大きくしても変化は見られなかった. これは供試ローフィン付面のフィンピッチが1.36mmと比較的大きかったことに原因があると考えられる. 従って来年度は更に高い伝熱促進率を得るべく, フィンピッチの小さい凝縮面を製作し, 実験を行う予定である.
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