研究概要 |
金属シリコンとかガリウムひ素等の半導体材料基盤はその生成過程において, チョクラルスキー法として知られる引き上げ精製法が用いられている. このプロセスは高温下で行われ, 材料は液体金属となり, 自然対流を呈している. さらに引き上げ結晶棒, 容器共, 製品の均質化のため回転されているが, 不純物の混入を避けるため, 全体に磁場がかけられ流れが抑制されている. この複雑な応力場は直感的な現象の把握を困難にし, 経験的な装置設計と操業が行われている. そこで本研究においては, このような場を理論的に明らかにすることを目指して, 二次元空間場での磁場対流の数値計算法の開発, 各パラメータと熱伝達との関係, 実験による計算解の検証を行うものである. その結果, まず二次元空間場において, 流体の運動方程式, エネルギ方程式, 磁場の方程式を連立したモデル式を作りこの偏微分方程式系の数値解法を開発した. 本現象の特性無次元数は, 自然対流の強さを支配するグラスホフ数物性のプラントル数, 磁場の強さを表すハルトマン数であるが, これらの種々の組み合わせのもとで計算機実験を行い, 高磁場下では多数の微小うずが発生することを見い出し, さらに磁場の強さと熱伝達率の間の関係式を求めた. 実験においては立方体の容器の一面が電気加熱されるようにし, 対向する他の一面が循環冷却水で一定温度に冷却されるような装置を計画している. 本研究費で購入した電磁石で磁場を発生させる. 磁場の強さはガウスメータにより測定し解析解の検証に資す.
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