1.冷媒と冷凍機油の混合を充分に行うため、実験装置を一部改良した。改良点は、容器内にテフロンカバーした攪拌子を入れ、容器の外側から磁石によって攪拌子を回転させるものである。 2.本年度は当初の研究計画に従い、フロン系冷媒R12と合成冷凍機油からなる混合系を対象として蒸気圧の測定を行った。実験組成は純粋なR12、および9、19、28、39、48、55、65、73、84wt%冷凍機油の10種類である。温度283.15K〜343.15K、圧力1.9MPaまでの範囲で、合計70点の蒸気圧の実測値を得た。この混合系における油の混入による蒸気圧の低下は著しく、50wt%冷凍機油混入の組成で蒸気圧が薬20%ほど低下するなど、新しい知見を得ることができた。 3.前年度に実施したR22/冷凍機油系混合物の蒸気圧実測結果と比較してR12/冷凍機油混合系の方が、蒸気圧低下が著しいことがわかり、また、蒸気圧が液相中の油のモル分率に対し直線関係になく、S字形の変化をしていることが判明した。 4.上述の実験研究と平行して、冷媒/冷凍機油系混合物の熱力学性質に関する研究の文献収集も実施し、溶解度を含めた研究報告例を収集した。
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