冷凍機油には大別してアルキルベンゼン系冷凍機油(合成油)とナフテン系冷凍機油(鉱油)があり、文献調査によってR12/冷凍機油系とR22/冷凍機油系について、蒸気圧に関する冷凍機油の依存性を比較検討することが可能となり、本年度は次のような成果を収めることができた。本年度は本研究のテ-マの最終年度であり、これまでの成果をまとめた。 (1)R12(CCl_2F_2)/合成油の蒸気圧を、温度283.15〜333.15K、圧力0.2〜1.5MPa、R12の液相組成0.26〜1質量分率の各範囲で実測し、合計54点の実測値を整理した。 (2)R22(CHClF_2)/合成油の蒸気圧を、温度283.15〜333.15K、圧力0.4〜2.4MPa、R12の液相組成0.17〜1質量分率の各範囲で実測し、合計54点の実測値を整理した。 (3)上述の各実測値に基づいて、R12/合成油とR22/合成油の蒸気圧をそれぞれ相関する式を、質量分率と温度の多項式の形で作成した。 (4)気液平衡理論を適用して、高揮発性の冷媒と無揮発性の冷凍機油から成る混合物の活量係数を求めた。 (5)R12/合成油の種類の実測値を、田中らによるR12/鉱油の実測値と比較し、冷凍機油の種類の違いによる影響を明らかにした。 (6)R22/合成油の実測値を、JaegerらによるR22/合成油およびR22/(合成油+鉱油)の実測値を比較し、よく一致していることを確認した。また、JaegerらによるR22/鉱油および田中らによるR22/鉱油の実測値と本研究の値を比較すると、R12の場合と同様に組織依存性が大きく異なることを明らかにした。 (7)3年間の研究成果をまとめ、日本冷凍協会論文集に論文投稿を行った。
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