研究課題/領域番号 |
62550167
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
熱工学
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
植村 正 関西大学, 工学部化学工学科, 教授 (50067568)
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研究分担者 |
伊与木 茂樹 関西大学, 工学部化学工学科, 助手 (60098100)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | 第一種吸収式ヒートポンプ / 第二種吸収式ヒートポンプ / 吸収式冷凍機 / 成績係数 / 作動媒体 / 吸収剤 / メタノール / 臭化リチウム / 塩化亜鉛. |
研究概要 |
現在、吸収式冷凍機や第一種、第二種吸収式ヒートポンプの作動媒体-吸収剤系としては、主に水-臭化リチウム系が実用に供されている。しかし、この系はその熱的、物理的性質から動作範囲や性能に限界のあることなどから、最近ではこの系以上に成績係数や昇温幅を向上さすことのできる新しい作動媒体-吸収剤系の研究開発が望まれている。そこで、本研究ではこれらのことを考慮に入れて、作動媒体としてメタノールを、吸収剤として臭化リチウムと塩化亜鉛を用いる新しい三成分系(混合比、臭化リチウム:塩化亜鉛=1:1重量) を取りあげた。この三成分系の吸収式冷凍機や吸収式ヒートポンプの性能を評価する場合や実用化する場合に必要な基礎的諸物性値である熱的性質 (比熱、混合熱) 、物理的性質 (密度、粘度、表面張力、溶解度、蒸気圧) の測定を行い、これらの実測値などを用いて本系のエンタルピー濃度線図を作成した。このエンタルピー濃度線図を用いて、本系を単効用型、二重効用型吸収式冷凍機や第一種、第二種単効用型吸収式ヒートポンプとして用いた場合の理論上の性能及び動作特性を明らかにし、あわせて他の系のそれとの比較検討も行い、次のような結果を得た。 本系は他の系に比較して、かなり成績係数が良く、加熱温度や目的温度などの変動に対する成績係数への影響が小さく安定している系であるといえる。本系は空調用として用いた場合、太陽熱から得られる集熱温度のような低温熱源を利用して空冷化ができ、一方冷凍用として用いた場合でも空冷方式での運転が可能であり、さらに吸収式ヒートポンプとしても採用が考えられる。また、現在特定フロン類がオゾン層を破壊することから世界的な規制の対象になっており、本研究で取りあげた三成分系の構成物質の性質から、本系は特定フロン類を用いる作動流体の代替物質として対応できる可能性が考えられる有望な系である。
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