研究概要 |
移動している物体の位置を画像処理によってリアルタイムで求めて, 加工物を工作機械にセットする際の位置決めや, 高速度で移動する物体と連動して予見制御するためのアクチュエータの高精度化を研究目的として, 立体視によって物体の空間位置を求めるためのリアルタイム画像計測システムの性能評価を行なった. . 実際は, 対象物体としてφ100mmの円板とφ98mmのウレタン製のボールを用いており, , 直線運動する場合には移動速度は58mm/Sであり, X-Y平面内で円運動する場合には1.2m/Sと2.4m/Sである. 1/60秒毎にカメラの映像を切り換えて, 二値化したデータを16ビットパソコンに取り込み, アドレスデータをデータ圧縮してデータ転送を行なって高速化を計った. 0.1mmの精度で物体の重心を計算し, 実際の位置と比較して相対誤差を求めて画像システムの性能を表わす指標とした. その結果, 奥行き方向の誤差が最も大きい値を示しており, これが空間位置の画像計算の成否の最も大きな要因となる. また, 円運動の場合には, 1/60秒のサンプルリング位置に対しては, 1.2m/Sでは±1%の精度で位置検出が可能となった. これは, 従来の画像計測の処理時間の約1/10である. 以上の研究成果の報告は, 7月15日に行なわれる精密工学会浜松地方講演会において発表する予定であり, すでに予稿原稿を提出済みである. 今後の研究課題としては, 奥行き方向の位置精度を高めるための立体視計測法の開発と, 32ビット機による高速処理ソフト開発, およびアクチュエータのインターフェーシングなどが考えられる.
|