研究概要 |
本年度は歯車形軸継手が結合回転軸系の振動に及ぼす影響について, 実験的検討を行った. 実験系は, 駆動モータ(2.2kw, 2500rpm), 歯車形軸継手(m=2^<mm>, Z=28枚, b=11^<mm>), 円板を有する回転軸(〓20×500^<mm>)および負荷用他励式直流発電機(3.7kw, 2500rpm)からなっており, 継手に許容範囲内(0.8mm)で比較的大きな偏心のミスアライメント(0.4〜0.7mm)を与えて負荷運転(負荷トルク1〜7N・m)を行ったところ, 特定回転速度(25〜45rps)以上で再現性のある振幅の大きい異常曲げ振動(振動数70〜80HZ)が発生することを見出した. この異常振動について各種の実験を行い, 以下の知見を得た. (1)異常振動の振動数は, 歯車形軸継手を含む軸系全体の曲げ振動の1次固有振動数にほぼ等しく, その発生開始の回転速度は1次危険速度より低く, その25〜80%の範囲にあった. (2)異常曲げ振動は, 負荷トルクおよびミスアライメントが小さいと発生しにくく, これらがある値を越えるとよく発生する. 発生回転速度は, 負荷トルクの増加とともに高くなり, ミスアライメントの増加とともに低くなる. (3)異常曲げ振動は, 歯車形軸継手のハブ外歯のクラウニング量が大きく, 継手スリーブのエンドプレイ量が大きく, さらに系の危険速度が低い程, 発生しやすい.
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