研究概要 |
昭和62年度に行った研究成果に基づいて、動力軸上の2ケ所に磁気テープを貼り付け、その上に周期信号を着磁し、これに対応する磁気ヘッドから生じる出力信号の位相差から軸に加わるトルク値を検出する研究を行ない、次の点が達成できた。 1.カルマンフィルタによるトルク値推定理論の確立と計算機プログラミングの作成により、トルクが負荷変動により変化する場合のトルク値推定が可能となった。 2.動的トルクのコンピュータによるオンラインシミュレーション実験を行い、トルク値推定の実時間処理が行えることを確認した。こゝで位相差信号データのコンピュータ上でのデータ処理は、C言語を用いた計算アルゴリズムを作成して行った。 3.一方、カルマンフィルタによるコンピュータ上でのオンラインデータ処理は、かなり複雑となるため、本年度はオブザーバ理論の適用によるより簡便なデータ処理法を開発し、シミュレーション実験により良好な結果がえられた。 以上のデータ処理に関する研究成果を踏まえて、実システムへの応用に関する研究として(1)DSPプロセッサによるデータ処理回路の構成、(2)位相差検出機構の改善と旋盤への装着、(3)実データの処理;ディジタル化オンラインデータ処 理等に関して引続いて研究を行っており、(3)についてはほゞ目安がえられているが、(1),(2)については若干の工夫を要する点があり、現在考案中である。
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