レーザを集光し、流体中の局所領域に照射する。光一熱変換によって発生した微小屈折率変化(フォトサーマル効果)を高感度ヘテロダイン干渉プローブ光によって、検出した。 外乱除去型ヘテロダイン干渉プローブを対称型の光学系を用いて構成し、既知の微小位相変化を検出できることを確かめた。 光源としては、CO_2レーザを自作し、共振器の冷却水の温度安定化によって、レーザ縦モード発振ラインP20に安定化した。これは自作の赤外分光器によって確かめた。このレーザをメキャニカル・チヨッパでパルス光にして照射した。 ガスとしては、エチレンと空気の混合ガスを用いて、ガス濃度(ガス検出器で検出)を変えて干渉プローブによって検出した。 発振線の安定化によって、濃度とヘテロダイン干渉プローブによる検出位相の間の直線関係を求めることができた。本方法により濃度が低い場合の局所濃度を求めることができる。 濃度一定の時、検出位相の時間変化の実験値は、熱拡散の項を考慮して計算した値より小さくなった。これは、計算値が2次元的な仮定をおいているためと考えられる。今後3次元的な熱拡散を考慮して計算する必要がある。 速度計測については、CO_2レーザ集光点からプローブ光を後流にずらして、タイムフライト法を用いて測定し、層流について、測定流量から換算した、流速と本実験で測定した値が一致することを確かめた。 速度と濃度の同時計測については、タイムフライト法により速度を求め、濃度については、検出位相の曲線の立ち上がりの直線部の勾配を速度補正して、求めることができる。今後の課題としては、本方法の乱流領域への適用、空間分布計測などが上げられる。
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