昨年度は、減衰パラメータ可変式準能動的絶縁装置によってスカイフック・ダンパの効果を実現させたが、本年は減衰係数の切り換え制御に加えて、ばね定数の切り換え制御を考えた。まずばね上変位の最小化を考慮して、ばね上変位フィードバックを近似させること、つまりスカイフック・スプリングを実現させることを検討した。次に速度フィードバックを減衰係数の切り換え制御で実現できない部分を補うような切り換え制御則を考えた。最後にばね上速度(変位)を加速度計からの積分で得るのではなく、相対変位の測定から推定する方法を提案し、実車用の空気圧サスペンションを使用して実験的検証を行っている。又第2の研究として磁性流体を用いた可変減衰型動吸振器の開発を行った。磁性流体は磁場により空間に保持可能で、その粘性は磁場を加えることにより増加するという性質を持っているため、粘性可変ダンパとして使用できる。これを利用して、セミアクティブマスダンパ系を構成し、アクティブマスダンパの制振効果に近い成果を実験的検証より確認した。
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