本年度行なった研究概要について、交付申請書の実施計画で示した内容の順に記載する。 1.パーソナルコンピュータによる連続画の作成およびその投影法 パーソナルコンピュータによる連続画の作成は、前年度購入のNEC PC-9801 VX21において行なった。画像は直線路の線画とし、このプログラム作成には今後の拡張性を考慮しC言語を使用した。現状では秒20画面程度の作成が可能となった。しかし各種入力のA/D変換、運動方程式の解法およびシミュレータの動作制御を行なうと秒数画面程度になり、人間に違和感を与えない程度の画像作成は行なえない。そこでパーソナルコンピュータを使用する場合、運動解析およびシミュレータの動作制御等は別のコンピュータにまかせ並列処理を行なう必要があり、次年度の課題とする。画像の投影は大型のオーバヘッドプロジェクタを改造し、CRT上の映像を直接投影する方法を採用した。これにより安価な大画面(縦1800mm、横2700mm)を実現することができた。但し光量不足のため、暗室内での投影となる。 2.人間の周辺視野の操縦に対する影響 十分な検討が行なえなかったため、次年度の課題とする。 3.人間の各種入力の相互関係および応答感度に対する検討 台上に試験装置による人間の各種入力と応答への影響(感度および与えられる入力の大きさ等)を把握し、特に操縦に対して大きく寄与している入力はハンドルトルクおよび操縦者のリーン角であることが明らかとなった。またこの結果を踏まえ、操縦者の熟練度の違いを実車実験により確認した。この結果、ハンドルトルク及びリーン角の与え方が、熟練度合により大きく異なることが明らかとなり、今後の人間・二輪車・環境系の研究に対する指針を得た。
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