研究課題/領域番号 |
62550187
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
大亦 絢一郎 明治大学, 工学部, 教授 (10061954)
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研究分担者 |
荒川 利治 明治大学, 工学部, 助手 (80159491)
下田 博一 明治大学, 工学部, 助手 (10130816)
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キーワード | メカニカルスナッバ / 配管系の耐震装置 / リサージュ波形 / 配管の地震応答解析 / 連続系シミュレーション言語 |
研究概要 |
原子力発電所における配管系の耐震用支持装置として、メカニカルスナッバ(以後、略してメカスナと呼ぶ)が一般的に使用されている。このメカスナは振動数と荷重の両方に対して複雑な非線形特性を有するため、これを配管系に取り付けたときの正確な地震応答解析を行うことはむずかしく、従来はメカスナを等価な質量-ばね-減衰系に置き換えて解析が行われていた。本研究は、地震時における配管系の安全性向上の観点から、メカスナの正確な抵抗力特性を解析し、このメカスナで支持された配管の地震応答解析を行って、配管とメカスナの安全性を確かめることを目的としている。 メカスナはボールねじ、はずみ車、回転伝達球、ディスクブレーキおよびブレーキシューからなっており、回転伝達球ははずみ車とディスクブレーキの両方に作られた4個の球面状溝または円錐形状溝の中に置かれている。配管が熱膨張によってゆっくりと変形するときは、はずみ車とディスクブレーキが一体となって回転するため、極めて小さな抵抗力で追従するが、地震時にははずみ車とディスクブレーキの間に回転角のずれが生じ、ディスクブレーキがブレーキシューに押しつけられて大きな抵抗力が生ずる。本年度は、溝の形が円錐形の場合について、Hertzの接触論を用いて回転伝達球がディスクブレーキに及ぼす力およびブレーキシューによる制動トルクの式を誘導し、ディジタルシミュレーションを行って変位と抵抗力とのリサージュ波形を正確に求めた。また、このメカスナを配管に取り付けたときの地震応答解析を行い、はりの変位とメカスナに加わる力を正確に求めた。その結果、はりの変形とメカスナの強度の両方の観点から望ましいメカスナの設計条件を導くことができた。また、前年度に試作した水平振動台を用いて市販のメカスナのリサージュ波形を測定し、解析結果と比較してその正しさを検証した。
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