研究概要 |
本年度は計画調書に記載した計画に従い、主として交流回生車が異電源境界を回生モードで通過することを可能とする各種方式の調査、整理比較と、このための研究開発を下記のように進めた。 1.過年度に網羅的に調査した車両側9種、饋電側7種の方式の中から、技術的可能性が高く、システム全体としての評価が高くなる可能性の大きい下記の方式を選定し、それぞれについての検討を進めた。饋電側としては、 (1)微小並列切替方式:A,B両電源を微小時間並列饋電するもの (2)瞬時切替方式:実質的に瞬時に電源切替を行うもの (3)微小時間切替方式:従来の新幹線型の切替セクションで、停電時間を数ms程度以下に抑えたもの (4)抵抗セクション方式:回生電力吸収用抵抗をセクション部の地上に配置するものの4種を選び、これに対応する車両の制御として、 (5)上記(1)〜(3)に対応する架線側PWM制御変換回路の制御方式の研究を進め、車両の主変圧器の偏磁を防止する観点から、地上・車上協調位相制御の基本的な考え方を確立した。さらに (6)上記(4)に対応する車両として、抵抗セクション区間を走行中に車上でA電源からB電源への滑らかな移行ができるような位相制御を行う新方式の提案を行った。 2.PWM制御交流回生車の問題点として、実用化の最大の妨げになった中間直流回路のリプル(電源周波数の2倍)とインバータとの干渉を除去するPWM制御方式を提案し、理論・シミュレーション両面からこの方式の有効性を確認し、非干渉化とトルクリプル低減の両方の観点からの最適化を行った。
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