研究概要 |
本研究では, 無整流子電動機の小形軽量化, 高出力密度化, 安定性・速応性の向上, 大容量化のために, その超電導化研究を目的とするもので, 現在注目を集めている超電導同期機と, 技術向上が著しい半導体電力変換器の組み合わせから成る超電導無整流子電動機システムを構成し, その特性解析と問題点の把握, 設計解析による体格比較, 更にモデル機による実験を行うものである. 1.まず, 当初の計画である正弦波・電圧制御方式GTO-PWM電流形インバータについて検討を行った結果, このインバータの採用は, 自制式変換器を必要とする無整流子電動機では, 回転数に依存し, かつ同期した制御信号を作り出すのが困難であることが判明した. それ故, 従来の電流形インバータを採用した通常の無整流子電動機の方式を対象に特性解析・設計法を確立することにした. 2.よって, 従来の電流計インバータを採用した無整流子電動機において, 同期電動機自体の設計解析を行い, 体格, 出力密度, 特性等の超電導化した場合の特徴を定量的に明らかにした. 結果として, 超電導無整流子電動機は過負荷耐量, 出力限界, 定出力範囲等の大幅な拡大が見込まれることが分った. 3.超電導無整流子電動機の同期機部の設計法において, 入力情報として出力, 電圧, 同期回転数, 極数を与えることで諸寸法, 諸定数が算出できるような計算機プログラムを確立した. 4.シングルボードコンピュータによる制御が可能な電流形インバータシステムを設計し, 組立てを開始した. 5.フラックスポンプで励磁をブラシレス化した超電導同期機(5kW)を作製した. 実験を一部行った.
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