研究課題/領域番号 |
62550213
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
西嶋 喜代人 福岡大学, 工学部, 助教授 (40117205)
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研究分担者 |
生澤 泰二 福岡大学, 工学部, 助手 (10131806)
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キーワード | 2パルス電圧 / 空間電荷効果 / 放電生成物 / 混合気体 / フラッシオーバ電圧 / 針対平板ギャップ / パルス休止時間 / 自動高電圧試験 / 初期電子 |
研究概要 |
本年度購入したプログラマブル周波数変換交流安定化電源を、2パルス電圧発生装置に組み込むことによって、第1パルス電圧の設定をマイコンにより精度よく可変調整できるようになった。従って、2パルス電圧印加による気中のフラッシオーバ特性は、本研究で開発した自動高電圧絶緑破壊試験装置によって人為的誤差なく機械的に入手することが可能となった。勿論、本装置は単一パルス電圧印加による気中のフラッシオーバ特性の試験に利用できる。 本年度の研究目的は、第1パルス電圧でのコロナ放電形態が第2パルス電圧でのフラッシオーバ特性といかに結びつくかを検討することであった。そこで、乾燥空気中での第1パルス電圧のコロナ進展を制御する目的から、乾燥空気に混合するSF_6ガスの割合を系統的に変化させ、その2パルスフラッシオーバ特性を実験的に得た。さらに、放電生成物のO_3(オゾン)を消滅させる目的からNOガスを付加した実験と、直流コロナ放電における生成O_3量を測定した。 以上の実験的検討より得られた成果をまとめると次のようになる。 1.SF_6ガスの割合が少ない場合、乾燥空気の2パルスフラッシオーバ特性とほぼ類似したものとなる。また、第1パルスのコロナ放電がギャップを橋絡することに関係なく、O_3はコロナ放電によって生成される。 乾燥空気にNOガスを50ppm程度混入すると、長時間領域のフラッシオーバ電圧の異常上昇が抑制され、O_3がNOによってクエンチされることが認められた。 3.SF_6ガスの割合が多い場合、長時間領域での発生原因となったO_3の生成物とは異なる生成物が第1パルスのコロナ放電に起因して生じることが判った。この生成物は、2600〓以下の強力な紫外線を照射すると消失することもまた確認された。
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