研究概要 |
PWMサイクロコンバータは, 交流から交流へ直接周波数変換を行うサンクロコンバータにおいて, PWM(パルス幅)制御を行うもので次の特徴をもつ. (1)エネルギー蓄積要素をもたないため, 小形・計量化が可能となる. (2)入出力間に直列に入る素子数が少ないため高効率となる. (3)制御が複雑となる. このPWMサイクロコンバータにおいて, 63年度の計画は, 新しく提案している制御法の理論解析を行い, 制御手法として具体化すること, 実験装置を製作し, 開ループ制御を行うこと, 実験結果の検討を行い問題点の解決を企り, 閉ループ制御を行うための制御アルゴリズムを作成することであった. これに対する研究実績を次に示す. (1)周波数直接変換の原理を用いた制御法の理論解析を行った結果, 制御手法を確立することができた. (2)PWMサイクロコンバータの実験装置を製作し, 開ループの電力制御を行った. 購入したディジタルパワーメータで入力電力, 出力電力, 効率を測定した結果, 高効率運転を実現できることが明らかとなった. (3)出力電流波形の閉ループ制御も実現することができた. (4)問題点として, 出力電流の正負切換え時に制御法を改善する必要があることがわかった. 以上の結果をまとめて, IEEE(アメリカ電気学会)と電気学会に投稿中である. 64年度は63年度の問題点であった出力電流の制御法について検討する予定である.
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