研究概要 |
半導体デバイス工程でのウェーハ表面状態の変化の状態の面内分布を出来るだけ高い分離能で測定する必要がある. 従って, GaAs系の高出力レーザ・ダイオードにファイバーを接続して, 50μφのスポット光源を作った. このレーザ・ビーム光をパルス状に照射することにより, その減衰曲線を解析して表面再結合速度(S)のウェーハ内分布を測定した. フェーハ面の半分の面積を(SiO_2+Si_3N_4)の薄膜をつけた場合のSの値は, 薄膜のない場合の約1/5程度にまで減少することを見出した. ファイバーのコアー径が50μmφであるが, 被測定ウェーハ表面がファイバー端からの距離が増加すれば, 光ビーム径は大きくなるので, ファイバー端からの距離に対するファフィールド・パターンを測定した. 一方, 十分に洗浄されたクリーンなSiフェーバ表面に, 2本のスクライバーによる傷を対にして形成し, この2本の傷と傷の間隔を変化させて, 数対のスクライバー傷を作り, これらの傷に対してレーザ・ビーム光が直交する様にウェーハを移動しながら表面再結合速度を測定した. その結果, 傷の部分ではSは大きくなり, 傷の間隔が小さくなると2本の傷の中心附近でSは最大となった. Sの値の大小で2本の傷の間隔を識別できる傷と傷の間隔は, レーザ・ビーム径と拡散距離の和になることも確認した. Siウェーハにファイバー端を近づけると, それだけレーザ光・ビーム径が小さな面積に照射されることになり, 注入レベルは高くなることになる. 少数キャリアのライフタイムの値には, 注入レベルには依存しないが, 表面再結合速度の算出が高い注入レベルでは不可能になる. 即ち, 一次モードライフタイムを用いれば, 注入レベル依存性はなくなることを示した.
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