研究課題/領域番号 |
62550234
|
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
森永 隆広 群馬大学, 工学部電気電子工学科, 教授 (20111396)
|
研究分担者 |
堀越 淳 群馬大学, 工学部電気電子工学科, 助教授 (10008477)
|
キーワード | 無線通信 / ディジタル移動通信 / 多重波干渉 / 周波数選択性フェ-ジング / フェジング / CPFSK / 位相連続FSK / 適応等化 |
研究概要 |
平成元年度に行った本テ-マに関する研究の主な項目は以下に示すものである。(1)当研究所にて提案している変調方式π/2-TFSKの多重波干渉特性を2-bit遅延検波方式を適用した場合について明らかにする。昨年までの研究では送信帯域制限を無視した理想的なチャンネルを仮定して基本的な特性の解明を試みてMSKタイプの多重波干渉特性に優っていることを明らかにしたが、本年の研究では実際のチャンネル条件においてどのくらい改善されるかを理論的に明らかにしようとするものである。(2)上記システムの装置製作を行い理論的な検討の妥当性を確認する。これまで送信帯域制限を行わない条件での変調器の製作を伝送レ-ト64kbpsにて行い、誤り率特性の測定を実施してきた。この結果受信帯域制限を嫁しても相当の誤り率の改善が可能であることの確証を得た。このため送信帯域制限を嫁した場合にも改善が可能であるかを88MHz帯におけるシミュレ-ションにて明らかにすることを目的とした。(3)本研究での第二の検討テ-マである適応等化方式の適応性を高速追従性の面から検討を行う。この目的のために係数更新の評価基準として二乗誤差の瞬時値を用いた。本テ-マについては未だ基本的事項の検討に止まっているので実行はコンピュ-タ・シミュレ-ションを用いた。 各項目についての検討結果を以下に示す。多重波干渉特性の解明では(3)項の適応等化と密接に関係のあるサンプル点との関連をも調べたこの結果、送信帯域制限を嫁した場合には、帯域制限をしない場合に比べて特性改善効果が現象することが明らかとなった。しかし、伝送周期Tにて正規化された位相遷移時間to/T(図1参照)が小さくなるに従い多重波干渉による誤り率の劣化が少なくなってゆくことが明らかとなった。
|