本研究の目的は交通流が移動通信系の通信トラヒックにどのように影響するかを調べることである。都市内の自動車がどのように移動するのか統計的データを収集するための実測を昨年に引続き行ってきた。測定用自動車に速度センサ、方向センサ、及びその値を取込むマイクロコンピュータをセットし、時間、場所を変えて測定を行った。 (1)自動車の直進時間の分布は平均25秒の指数分布で、時間0未満を打切った分布。 (2)直進速度の分布は平均25〓/hで標準偏差15〓/hの正規分布と平均42〓/hで標準偏差8〓/hの正規分布を3:1で加えた分布で、速度0未満を打切った分布。 (3)進行方向の分布はそれまでの進行方向を中心として平均82°で標準偏差10°の正規分布と平均10°の指数分布を1:2で加えた分布。 これらの結果を用いて、種々のチャネル割当法に関して、電子計算機シミュレーションを行い、トラヒック特性の評価を行った。 次に、ハイウェイのような帯状サービスエリアについて、交通流の流れを考慮した通信トラヒックの解析法について一つの提案を行った。このとき、交通流の流れとしてグリーンシールズのモデルを用いた解析を行った。そして、電子計算機シミュレーションとの比較を行った。
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