研究課題/領域番号 |
62550258
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
情報工学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森川 博由 東京大学, 工学部, 助手 (40011217)
|
研究分担者 |
広瀬 啓吉 東京大学, 工学部, 助教授 (50111472)
藤崎 博也 東京大学, 工学部, 教授 (80010776)
|
研究期間 (年度) |
1987 – 1988
|
キーワード | 雑音軽減 / 音声情報圧縮符号化 / 適応カルマンフィルタリング / スペクトル推定 / 有色雑音 |
研究概要 |
音声の情報圧縮伝送は主に船舶・航空機等における移動通信や、国際電話等の比較的通信容量が制限されている場合に有益な手段である。しかしながら、現在実用化されているADPCM、ATC、LPC等の情報圧縮符号化方式は背景雑音により品質が著しく劣化する。本研究では、雑音環境下で発声された音声信号の高品質伝送の基礎を確立することを目的とし、音声生成過程・雑音発生過程のモデル化、適応カルマンフィルタリング、音声合成方式に関する従来の研究成果を発展させ、以下に示す実績をあげた。 1.音声雑音に汚染された音声信号を、観測した信号の統計的性質を利用して、音声区間と非音声区間に分離する方法を開発した。分離した非音声区間において雑音のスペクトルパラメータを、音声区間において音声のスペクトルパラメータを、適応的に推定する方法を開発した。 2.空調雑音、計算機騒音等、の室内雑音環境下において採取した音声信号に対し、提案した音声のスペクトル推定法を適用した。その有効性を、合成音声・自然音声に対するスペクトル推定精度の観点から明らかにした。 3.音声生成過程を状態空間で表現し、音声信号のシステムパラメータを適応的に推定することにより、付加雑音を除去する適応カルマンフィルタを開発した。 4.合成音声・自然音声を用いた実験結果から、適応カルマンフィルタを有声音声・無声音声いずれに対しても有効であるが、有声音声の方が雑音軽減効果が大きいことが明らかとなった。また自然音声を用いた実験を行い、システムの有効性を主観的及び客観的の両面から明らかにした。 以上、当初の研究目的をほぼ達成した。
|