本年度は曲面を含む物体(曲面体と呼ぶ)の3次元情報を得る手法の研究を行った。 曲面体の見かけの境界は2種類に分けることができる。一つは面と面とが物理的に交わってできる境界(稜線と呼ぶ)で、もう一つは、円柱の側面のように、ある視点から観測した時にできる曲面の端(先端線と呼ぶ)である。物理的なエッジである稜線の3次元情報は、昨年度開発した3眼視により三角測量の原理を用いて得ることができる。しかし、先端線の所では、各画像における先端線が物理的に対応していないので誤差が生じる。ところが、先端線の所では、一つの画像のみで、面の3次元的な向きを一党に決定できる。すなわち、そこでは面の向きは視線に対して直角で、かつ画像上の境界線に対して垂直である。 したがって、いずれの境界線についても上で述べた方法により、3次元情報を得ることができるが、そのためにはまず、今注目しているエッジ点が稜線上の点か、あるいは先端線上の点かを識別できる必要がある。この境界点の分類を3眼視の手法を改良した方法で行い、曲面体の境界点の3次元情報を得た。 こうして得られた境界点の3次元情報を出発点として、Shape from shadingの手法を用いることにより、物体表面の3次元情報を求めることも可能となる。
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