1.アナログ加算回路の出力をレベルシフトした後、4値反転量子化回路に通すことにより、新しい型の4値論理ゲ-トM-ANDとM-OR回路が構成できた。これら2種の回路は、12個のMOS-FET中2個のMOS-FETのしきい値電圧とサイズが異なっている。 2.4値n変数関数を関数値毎に、4つの部分関数に分け、各部分関数をリテラル、max、minを用いて簡単化を行った後、リテラルをしきい値の異なるパストランジスタに、minを直列接続に、maxをワイヤ-ドOR接続に置き換え、最大6個の逆流阻止トランジスタと組合せることにより、任意の関数が直接駆動パストランジスタ4値論理回路として構成できるようになった。また、4値負関数を直接駆動パストランジスタ回路で構成すると、素子数が少なく、逆流阻止トランジスタもいらず、極めて良好に動作する。 3.任意の4値論理関数は共通関数を用いた合成法で、Uゲ-ト回路網、CPゲ-ト回路網及びTゲ-ト回路網等へ系統的で高速に合成できると共に、CRT上に回路図が自動合成できるようになっている。 4.4値Uゲ-トの可変しきい値特性を生かした応用面の拡大をはかるため、3個のUゲ-トからなる4値1変数回路を構成し、4つの入力端子を0、1、2、3に固定し、各ゲ-トのしきい値制御端子の値を変えたとき、その回路で表現できる4値1変数関数の数は全体の60%となる。又、全ての4値1変数関数をこの回路1個で表現するには、4つの入力値の組合せの数は7種あれば良いことが分かった。Uゲ-トのしきい値制御入力を4値信号で直接駆動する方式の4値Uゲ-ト回路網の合成法は、今後の課題として残っている。 5.直接駆動パストランジスタ回路網とリテラル駆動パストランジスタ回路網を比較すると、後者の方が動作速度と消費電力の面で優る。
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