• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1989 年度 実績報告書

背景雑音を抑制する人口知能を用いた連続音声認識システム

研究課題

研究課題/領域番号 62550269
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

中川 正雄  慶應義塾大学, 理工学部・電気工学科, 教授 (30051882)

キーワード人工知能 / HMM / 音声認識 / 雑音
研究概要

本年度の研究では以下のことを行った。
1.セパレ-トベクトル量子化を用いた雑音に強いHMM音声認識システムの構築。
従来音声の動的特徴を考慮したHMM音声認識システムとして、ケプストラムの時間変化を従来のHMMに加えたセパレ-トベクトル量子化HMMが提案されている。このシステムは2種類の異なるパラメ-タを別々にベクトル量子化し、HMMに入力するものである。
本システムはセパレ-トベクトル量子化HMMの手法を雑音環境下の音声に適応できるよう、音声信号を低域通過、高域通過の2種類のフィルタを通した結果を別々にベクトル量子化し、この値をHMMへの入力として認識を行うものである。低域と高域の通過フィルタの出力を利用することは、周囲の雑音による発声の変形と、周囲に存在する雑音の両方に対して効果がある。
本システムで、計算機シミュレ-ションにより10数字の不特定話者に対する実験を行った結果、通常のHMMによるシステムに比べ、5〜15%認識率が向上した。また、実際の騒音環境下(食堂、自動車車内)による認識実験の結果では、7〜16%の認識率の向上がみられ、本システムの有効性が確認された。
2.ニュ-ラルネットによる音の識別
ニュ-ラルによる雑音の識別の実験を行った。識別に用いた音は救急車の音、消防車の音、パトロ-ルカ-の音、白バイの音、白色雑音、自動車のエンジン音などである。これらの識別は他の雑音が混入していない状態であれば、極めて良好に識別できる。しかし、他の雑音が存在する状況では識別はかなり難しく、これからの研究課題である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 南泰浩,中川正雄: "Trigramモデルを用いた複数候補を求めるフレ-ム同期型HMM連続音声認識" 電子情報通信学会論文誌.

  • [文献書誌] 片岡淳,南泰浩,中川正雄: "セパレ-トベクトル量子化を用いたHMM音声認識の耐雑音性に対する検討" 第12回情報理論とその応用シンポジュウム. 831-834 (1989)

  • [文献書誌] 片岡淳,南泰浩,中川正雄: "セパレ-トベクトル量子化を用いたHMM音声認識の耐雑音性に対する検討" 1990年電子情報通信学会春期全国大会講演論文集. (1990)

URL: 

公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi