研究課題/領域番号 |
62550291
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
米田 正次郎 大阪府立大学, 工学部, 教授 (40081286)
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研究分担者 |
佐々木 逸雄 大阪府立大学, 総合科学部, 助手 (60094504)
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キーワード | スイッチト・キャパシタ / 離散フーリエ変換 / 離散フーリエ逆変換 / 音声信号処理 / 実時間処理 / ピッチ周波数検出 / 母音音声認識 |
研究概要 |
今年度の第一の目標は、昨年度得られたシミュレーション結果に基ずいた64ポイント離散フーリエ変換(DFT)回路の完全製作と、その基本特性の確認である。その結果、32周波数の位相を伴った32コの余弦波を同時にかつ並列的に得られる事が確認された。その際、必要なスペクトルと他の不必要に現れるスペクトル(窓関数に基ずく)との差は約40dB以上あるので充分正しいスペクトルを抽出できる(Int.Journal of Electronicsで発表)。 第二の目標は、一般に変動する音声信号のピッチ周波数検出装置の製作である。上記のDFTはピッチ周波数が設定され、従って最小クロック周波数が与えられた上で正確な動作をするものである。そこで、ピッチ周波数が連続に変化する場合には実時間に追従してDFTが動作する事が望まれる。従来のピッチ周波数検出は、連続的に変動する音声信号の一部を切取り、その範囲内で計算機により、音声信号の自己相関関数を求めて得ている。即ち、連続的ではない。我々のそれは、自己相関関数法が関数の積の加算をとるのに対して関数の絶対差の加算をとる新しい関数を定義した。これはSC遅延回路を多数組み合わせる事により得られる。その成果は人工音声のアー、イー、ウー、エー、オーなどの母音音声で確認されている(これらの成果は今年度通信全国大会1件、Int.Journal of Electronics 2件で発表)。 その他、ピッチ周波数を与えられたDFTにより母音音声認識装置のホルマント周波数に基ずく基礎実験結果も得ている(1989 Inter.Conference on Circuits and Systems.July 6-8.Nanjing.Chinaで発表)。なお、連続的変動の音声入力による音声認識実験効果などは今後の問題であらう。
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