研究課題/領域番号 |
62550300
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
計測・制御工学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
戸川 達男 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 教授 (40013859)
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研究分担者 |
豊島 健 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助手 (40014146)
田村 俊世 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助手 (10142259)
辻 隆之 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助教授 (00075764)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | 体温 / 深部体温計 / 熱流補償法 / 舌下温 / 体温モニター |
研究概要 |
体温の計測法としては、多くの試みがあるが、いずれも欠点があり、いまだに水銀体温計あるいは電子体温計が一般に使用されている。しかし、熱流補償法を利用した深部体温計は、体温モニターとしてきわめて有望であり、その有効性が評価されて来ている。そこでこの方法をさらに改良するとともに精度について、理論的および実験的評価を行うため本研究を計画した。 改良点は、深部体温計プローブの熱流補償の制御に、熱的正帰還をほどこすことにより、深部組織からプローブを迂回して外界に放熱されることによる誤差を打消す方法をとり入れた点である。 この改良の効果を、有限要素法による数値解析によって評価し、皮下組織の血流の変化による見かけの熱伝導率の変化に対して、誤差が減少することを示した。また、シミュレーターを用いたモデル実験によって、数値解析の結果とよく一致する結果を得た。これらのことから、改良が有効であることがわかり、生理的に考えられる変化の範囲で、誤差0.1^○C以内で深部組織の温度が計測できることが確認された。 この改良形の深部体温計を体温の計測に使用した場合の信頼性をひょうかするため、従来臨床において体温の指標とさている舌下温と比較する実験を行った。健常被験者43名を用い、外気温20^○Cおよび25^○Cにおいて、深部体温計プローブを前額部に装着し、または舌下温を小型IC温度センサを用いて同時に計測した。その結果、いずれの条件においても、前額部深部温と舌下温の平均値の差は0.1^○C以内であり、統計的有意差は認められなかった。 これらの結果から、正帰還をとり入れたプローブの改良が有効であり、改良形プローブを前額部に装着することにより体温を十分正確にモニターすることができることが確認され、この方法が従来の直腸温モニターに代りうる有効な方法であることが示された。
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