研究概要 |
発展途上国の工業化戦略の一環として内航輸送システムの拡充・整備は緊急を要する課題であり, 本研究の目的は, その最上流情報である地域間輸送需要の予測方法の確立, さらにその需要予測に基づく内航輸送システムの最適設計の方法を考究することである. そのために, 今年度は以下の事項に関して研究を計画・実施した. 1.地域間輸送需要構造分析と予測手法に関する調査と研究 2.輸送システム設計の最適化の手法に関する調査と研究 上記研究事項について具体的に作業を進め, 以下の成果・結論を得た. a.輸送需要の構造モデルを半自動的に作成するモデリング支援システムを開発し, 輸送需要構造の定性分析やシステム・ダイナミックス分析を容易に行なうことができるようにした. b.より定量的な地域間輸送需要の予測手法として, 地域間産業関連分析のシステムを開発するととにも, 国際産業関連分析に適用しその有効性を検証した. c.輸送計画問題特有の性質として離散化制御変数による組合せ最適化問題に対する有効・簡便な解法の確立が必要であり, そのために神経回路網を用いた最低化手法について調査し, 試験的プログラムを作成してその有効性を確認した. 次年度の課題としては, 内航輸送システム設計問題を定式化し, 神経回路網による最適化プログラムと適合させること, さらにそれを多目的最適化プログラムで包含することが最重要である. 尚, 補助金消耗品費としてデータ管理ソフトを購入し, 統計データの整理に使用した. また, データ収集および研究テーマに関する研究会出席に旅費を使用した.
|