研究課題/領域番号 |
62550335
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
土木構造
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
土岐 憲三 京都大学, 防災研究所, 教授 (10027229)
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研究分担者 |
清野 純史 京都大学, 防災研究所, 助手 (00161597)
佐藤 忠信 京都大学, 防災研究所, 助教授 (00027294)
家村 浩和 京都大学, 工学部, 助教授 (10026362)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | 最適制御則 / 閉開ループ制御 / 時間依存型評価関数 / 地震入力エネルギー / 最適レギュレータ問題 / 作用時間遅れ / 地下逸散減衰特性 / 複素剛性 |
研究概要 |
地震等の非定常な外力に対して、土木構造物の振動を最適に制御するためのアルゴリズムを構築し、線形構造物、非線形造物を対象として、地盤の影響をも考慮した地盤ー構造物系の解析を行い、提案した制御則の適用性について検討を行った。制御則の評価関数中に含まれる重みに関する考察を行い、重みの制御効果に及ぼす影響を調べた。また、実用的な観点から問題となる、制御力が系に作用するまでの時間遅れに関する考察を行った。 まず、構造物に入力されるエネルギー量を考慮した評価関数を提案することにより、現時刻までの応答と地動加速度の両者を用いて制御力が求められる閉開ループ制御のアルゴリズムを開発し、系の特性が変化する非線形構造物に対しても制御が可能な制御則を定式化した。提案した制御則を各種構造物に対して適用して結果、十分な制御効果が得られた。 次に、評価関数中に含まれる重みと制御力、並びに、状態量との関係を調べることによりその特性を明らかにした。その結果、最大変位と最大制御力の大きさは、重みQとRの比によって決まること、また、閉開ループ制御において制御力に地動加速度を加味する割合は、αとRの比によって決まり、この比を適当に選ぶことにより閉開ループの特性を規定できることが分かった。 さらに、地盤ー構造物系の復元力特性と地下逸散減衰特性を表現するために複素剛性を振動数の関数として求め、地盤との相互作用を考慮した系に対して最適制御則を適用した結果、地盤バネの特性をどの程度見積るかによって、制御効果に大きな影響のでることを明らかにした。 最後に、実際に構造物の制御を行うときに生じる制御力の作用時間遅れ効果の検討を行った結果、提案した制御則では簡単な四則演算のみで制御力を求めることができ、時間遅れがある場合でも最適な制御が行えることを明らかにした。
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