研究課題/領域番号 |
62550336
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐藤 忠信 京都大学, 防災研究所, 助教授 (00027294)
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研究分担者 |
清野 純史 京都大学, 防災研究所, 助手 (00161597)
松村 一男 京都大学, 防災研究所, 助教授 (70027283)
土岐 憲三 京都大学, 防災研究所, 教授 (10027229)
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キーワード | 位相特性 / 位相アンラップ操作 / ケプストラム解析 / ヒルバート変換 / 模擬地震動 / 最小位相推移関数 |
研究概要 |
地震波の位相に着目し、種々のシュミレーションを行ってその特性について検討を加え、位相の連続性に着目した位相のアンラップ操作を加え位相に着目した模擬地震動を作成した。さらに、ケプストラム解析を用いて位相とインパルスの関係に検討を加えた。また、地震波の因果性に着目して、ヒルバート変換により求められる最小位相推移関数を用いて位相のモデル化を行うとともに、ケプストラム解析を用いた波形分離法によって位相の情報を持つインパルス列とグリーン関数に分離し、位相のモデル化した。 (1)地震波形におよぼす位相の影響は非常に大きく、模擬地振動のシュミレーションでは従来行われている振幅と位相を独立に与える方法でなく、地震動の因果性に着目したシュミレーション法が必要であることを喚起した。また地震動の位相に関する基本特性を抽出し、それにランダム位相をのせることにより模擬地震動を作成するための方法論を展開した。 (2)位相の非定常性特性について考察を加え、地震動に含まれる卓越的な信号到着時刻が非定常特性と密接な相関にあることを見いだした。さらにケプストラム解析により分離したインパルス列を用いて位相の非定常性について検討を加えた。 (3)適当な条件下では最小位相推移関数がシステムの伝達特性を表すインパルス応答関数になることを明らかにした。さらに、ヒルバート変換やケプストラム解析で求めた位相を平滑化して、位相の基本的な特性を抽出するとともに、位相のランダム性を正規ノイズで近似できることを明らかにし、各々の場合に対して位相のモデルを行って、簡単な模擬地震動の合成法を提案した。
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