研究概要 |
1.コンクリートの耐海水性, 耐凍害性に関する検討 凍結融解と海水の複合作用を受けるコンクリートの耐久性向上のために, 配合や異なるコンクリートを用いて, 急速凍結融解試験, 暴露試験等を行った. 配合要因としての空気量はnon〜8%, 水セメント比は40〜55%, 単位セメント量は260〜390kg/m^3の範囲である. 急速凍結融解試験は, 淡水中と海水中で行ったが, 淡水の作用を受ける場合には, 空気量4%程度で耐凍害性は確保されるが, 海水の作用を受ける場合には, 空気量4〜8%の範囲で空気量が多くなるほどスケーリングの発生が抑制されることが明らかになった. また, 海水の作用を受けるコンクリートの表層部はCa(OH)^2P^<17>溶出し, 多孔化していることが明らかになった. 現在, 実気象条件のもとで耐凍害性を検証するために, オホーツク海沿岸の流氷海域と, 内陸の北見市で暴露実験を継続して行っている. 2.鉄筋コンクリート部材の耐力評価 凍結融解作用によるコンクリート表層部の劣化が鉄筋腐食に与える影響を明らかにするために, 水セメント比が異なる鉄筋コンクリート部材に海水中で急速凍結融解作用を与えた後, 電食試験を行った. その結果, 鉄筋腐食面積率, 積算電流量は, 水セメント比が大きいほど, 凍結融解回数が多いほど増加することが明らかになった. 現在, コンクリート表層部の劣化及び鉄筋の腐食と鉄筋コンクリート部材の終局耐力との関係を求める実験を行っているほかに, 促進試験の結果を実気象条件下で検証するために, オホーツク海沿岸で暴露実験を継続して行っている.
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