塩分が含有するサンクリートにおいて発生したアルカリ・シリカ反応が鉄筋の腐食におよぼす影響についてつぎのような結果が得られた。 (1)NaCI及びCaCI_2を添加した反応性骨材混入モルタルの細孔溶液中のCI^-、OH^-およびアルカリイオン濃度は材令の経過とともに減少する傾向を示す。 (2)NaCI添加モルタルではCI^-/OH^-比は初期材令より平衡状態であるが、CaCI_2添加モルタルのCI^-/OH^-は材令とともに増加する。 (3)反応性骨材の有無にかかわらず、NaCI添加モルタルではCI^-添加量2%において(1/分極抵抗)および相対腐食量が最大となる。また、あるCI^-添加量に対して、標準砂モルタルよりも反応性骨材混入モルタル中の鋼棒において、(1/分極抵抗)および相対腐食量が高い。 (4)鋼の(1/分極抵抗)および相対腐食量が最大となるCI^-/OH^-比が存在する。また、細孔溶液のCI^-/OH^-比が同程度であっても、標準モルタルより反応性骨材混入モルタル中の鋼の(1/分極抵抗)および相対腐食量が高くなる。 (5)鋼棒とモルタルの界面のSEM観察より、アルカリ・シリカゲルの生成は、直接鋼の腐食の関係ないことが明らかになった。外部かち侵入する塩化物のアルカリ・シリカ膨張におよぼす影響については、塩化物のアルカリ骨材反応におよぼす影響を評価する装置の設計が完了する。 (1)高炉スラグ含有モルタルにおいて、NaCI溶液に浸漬した場合、モルタル中の細孔溶液の組成と膨張量の間には全く相関性が見られない。
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