研究概要 |
高さ20cm, 幅15cm, 長さ320cm, 主筋断面(As=3.97cm^2)の複鉄筋の2径間連続はり25体(ただし本年度実施分は7体)に対する静的曲げ, 静的せん断及び反復移動載荷実験を行った. 静的曲げ実験は左径中央点での固定荷重によるもので, 静的せん断実験は中間視点よりはり高だけ離れた位置での固定荷重によるもので, 反則移動載荷実験は輪荷重装置を用いた10^4回以下の反復走行によるものである. 得られた結果を以下に示す. (イ)静的曲げ耐荷力は塑性ヒンジ理論によって十分評価できる. (2)スターラップ節D6で間隔5cm, 7.5cm, 10cm, 12.5cm, のすべての供試体の静的せん断耐荷力はその静的曲げ耐荷力より大きかった. (3)荷重の移動が耐荷力の低下に与える影響は非常に大きく, 静的耐荷力の1/2以下にもなる. (4)回帰解析の結果, 作用荷重の静的せん断耐荷力に対する比(S_<SO>)と走行回数(N)との関係は, Sso=0.565(1-logN/9.1)で表わされる. (5)上式によれば, 1回の走行での耐荷力は静的せん断耐荷力の約6割になる. (6)荷重の静的曲げ耐荷力比(Smo)が0.6以上では曲げ破壊に支配され, それ以下でSsoが0.3以上ではせん断破壊に支配される. (7)以上の結果より, コンクリート標準示方書による十分なスターラップ筋を配置しても反復移動載荷のもとでは2径間連続はりのせん断破壊が起こり得るものと思われる.
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