研究概要 |
室内での砂の要素試験において要素内の変形が完全に一様であれば, 測定された供試体平均のひずみを要素のひずみとした応力-ひずみ関係は, その砂の客観的な物性であると見なせる. しかし, 実際には必ずしもそうはなっていない. 特にすべり面(shear band)が発生してからは供試体内に変形は極めて著しいと考えられる. レーザースペックリング法と写真測量法を用いて平面ひずみ圧縮試験とねじり単純せん断試験における豊浦砂の供試体内部の局所ひずみの分布を極めて詳細に測定した. その結果, 次の事が判明した. 1.主応力比=最大主応力/最小主応力=σ_1/σ_3が最大になる前でも, 供試体内の粒子径の50倍程度の領域での局所ひずみを測定すると必ずしも一様ではない. しかしその非一様性には規則性がなく, 通常の供試体規模で考えれば, 変形は一様であると見なせる. 2.主応力比が最大になる前の主応力比-供試体平均せん断ひずみ-供試体平均体積ひずみの関係には, σ_3<0.5kgf/cm^2ではσ_3の値に依存しない. 3.供試体内の構造の異方性を適切に考慮すれば, 平面ひずみ圧縮試験とねじり単純せん断試験の主応力比-せん断ひずみ-体積ひずみの関係と内部摩擦角は同一であると見なせる. 4.主応力比が最大になる直前からshear bandが発生してくる. その幅は粒子径の15-20倍程度である. 5.主応力比が最大になった後は供試体の変形はshear bandに集中し, shear bandの外側では応力除荷に伴う弾性変形が生じる. 6.shear bandの主応力比-せん断変形-体積変化の関係を実測した. 7.砂地盤上の模型帯基礎の支持力実験の結果を上記の関係を用いてFEMによって解析した.
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