以下に、本研究で得られた結果を要約して示す。 1.礫質土地盤においては、ロッドの先端のシューをコーンに替えた装置で標準貫入試験を行うことにより、力学的に同程度のN値を求めることができる。 2.今回検討対象とした礫質土では、乱さない状態の強度パラメータを再充填供試体で推定するとΦ_dが若干小さく、C_dは逆に大きく推定された。(ただし、対象とした乱さない状態がγ_<dmax>の90%程度であり、直径100mmの供試体による三軸圧縮試験のため、再充填供試体では、25.4mm以上の礫分を除去した場合であることを条件としている。) 3.今回の礫質土においても、せん断抵抗角Φ_dは、均等係数U_cの増加に伴って増加する。また、礫質土のせん断抵抗角Φ_dは、乾燥密度ならびに礫分の値が大きくなるにしたがってせん断抵抗角Φ_dも大きくなる傾向を示す。 4.土の物理的性質からせん断抵抗角Φ_dを推定する福田の式は、設計Φ_d=推定Φ_d-4°とすれば、ほぼ安全な設計ができることがわかった。 5.土岐礫質土の支持力算定において、乱さない状態の土の強度パラメータを、再充填供試体の三軸圧縮試験で推定する場合、せん断抵抗角Φ_dが減少し粘着力C_dが増加するが、その影響は、一辺11.5mの正方形基礎の場合(名古屋テレビ塔のフーチング基礎と同じ条件の場合)、根入れ深さが大きくなるとΦ_dの違いの影響が大きく現れ、再充填供試体による推定支持力は過小評価になることがわかった。また、Φ材料(C=0)として、N値から従来の推定式を用いてΦ_dを推定して計算した支持力推定値は、さらに過小評価になることもわかった。
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