研究概要 |
1 供試体中央位間隙水圧Umの挙動:(1)供試体低面間隙水圧Ubに比較してUmは高く測定され, 供試体内部の変形は不均一であり, 上下両端部は中央部より変形が拘束され十分に発生していないことを示す. (2)透水性の低い供試体の場合に, Umが著しく低く測定される事例が生じた. (3)Umと鉛直軸ひずみεaの関係は, Ub〜εaの関係と同様に, 双曲線関数により近似できる. 有効圧密応力σ'rcにより正規化することも可能である. (4)Ubの場合と同様Umであっても変形速度δaの影響が見られ, 高速時の間隙水圧は低速時より低い間隙水圧である. それゆえUmとUbの違いは中間の変形速度で最大となり, 微速の場合はUmとUbが当然一致する他に, 高速においても差は小さくなってくる. (5)塑性間隙水圧ΔUpと鉛直軸ひずみεaの関係は, 双曲線関数により近似できる. せん断初期一時負の塑性間隙水圧を示すが, 応力増加速度が高速であるため間隙水圧計測に遅れが生じたための計算上のことと考える. 低速時や透水性の良い供試体の場合には負値が見られないからである. 2 全応力経路の影響(平均主応力一定試験の場合):(1)過剰間隙水圧ΔUと鉛直軸ひずみεaの関係は, 側圧一定試験の場合と同様に平均主応力一定試験の場合にも, 有効圧密応力σ'rcにより正規化される. (2)塑性間隙水圧ΔUpとεaの関係は, σ'rcにより非常に良く正規化される. (3)全応力経路がΔUp/σ'rc〜εa関係へ与える影響はΔU/σ'r〜εa関係へ与える影響より小さく, 塑性間隙水圧〜ひずみ関係が全応力経路に拘らずユニークである可能性が高い. 3 間隙水圧の構成:過剰間隙水圧増分は弾性成分と塑性成分から成る. 弾性成分は平均主応力増分に等しいとおくことができる. 等方応力増分による間隙水圧変化は弾性成分に含めることが妥当である.
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