研究課題/領域番号 |
62550403
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
和田 安彦 関西大学, 工学部, 教授 (90026253)
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研究分担者 |
菅原 正孝 大阪産業大学, 工学部, 教授 (60026119)
三浦 浩之 関西大学, 工学部, 助手 (80157437)
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キーワード | 非特定汚染源負荷 / 雨水流出抑制施設 / 流出負荷量予測モデル / 広域的雨水流出制御システム / 管内貯留 / 雨水滞水池 |
研究概要 |
平成元年度の研究においては、昭和62年度の非特定汚染源負荷の調査・解析結果と昭和63年度に開発した非特定汚染源からの流出負荷量予測モデルをもとにして、雨水流出抑制施設等による非特定汚染源負荷の制御方法を確立し、実用化を検討して、3か年の研究成果のとりまとめを行うことが主な研究内容である。 非特定汚染源からの流出負荷量の抑制方法には、非特定汚染源負荷の堆積量の削減と、雨天時流出量の抑制がある。そこで、流出水量系モデルと流出負荷量系モデルで構成されている数値モデルによって、下水道に種々の雨水浸透・貯留施設を有機的に結んだ広域的な雨水流出制御システムの効果を検討した。この雨水流出制御システムは、各種対策施設をユニット化することで、様々な流出形態に対応できるものである。 都市型水害が発生しているある都市の排水区(排水区面積;211.35ha、不浸透域率;63.7%)において、広域雨水流出制御システムを導入した場合の効果を検討した。制御システムは道路下の浸透連結管、貯留池、管内貯留、雨水滞水池を組み合わせたもので、排水区全域の道路下には、すべて浸透連結管を設置する場合を検討した。この結果、雨水制御システム導入により、降雨初期の汚濁物質のファ-ストフラッシュ現象の発生を防止でき、越流の発生の大幅に抑制できることが明らかとなった。 また、総降雨量80mm、時間最大降雨強度40mm/hr程度の降雨時においても、広域制御システムを導入すれば、公共用水域への流出負荷量を半減できることも明らかになった。 今後、都市域での非特定汚染源負荷の流出制御には、各種の雨水制御施設を効果的に運用することが重要であり、最適な運用方式の確立、適切な施設規模の選定、降雨情報や流出情報に基づく施設制御等が必要になる。
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