本年度は、実験室実験で得られた、凍結最低温度、温度勺配、最低温度の持続時間、養生方法の影響程度を定量化し、これまでの温度測定、気象庁データから得た札幌市の気象条件に対応させることも試みた。これらの要因の定量化にあたり、基準とする水準を、我が国で最も一般的な耐凍害生試験法であるASTM C66 6A法(水中凍結水中融解試験)の条件とし、自然環境の厳しさを求めた。 通常、札幌市では年間100回程度の凍結融解が繰り返されるが、この値は、温度条件のみを考慮して凍結融解試験の19回1年に担当し、乾燥条件をも考慮すると6回1年程度となる結果を得た。この値の妥当性については、これまで測定を行ってきた暴露試験の結果で検討したが、試験体の劣化が進んでいないこともあり、明確な答を得るには至らなかった。今後の暴露試験の積みかさねによって検討を続けなければならない。 研究成果報告書の内容には含めていないが、札幌市、小樽市、北見市、釧路市、横浜市、に暴露したコンクリートの含水量変動について、冬期(1月段階)において札幌市の屋外に放置したコンクリートの含水量が最も高くなり、冬期に乾燥する横浜市と比較して著しい差が認められた。これらの結果はし、通年のデータが得られた段階で取りまとめる予定である。
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