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1987 年度 実績報告書

二方向水平力を受ける鉄筋コンクリート開断面耐震壁の復元力特性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 62550408
研究機関室蘭工業大学

研究代表者

荒井 康幸  室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (80002210)

キーワード二方向水平力 / 鉄筋コンクリート / 開断面 / 耐震壁 / 復元力特性 / 終局耐力 / 曲げ変形 / 曲率
研究概要

平面上二方向の壁板が連続している開断面耐震壁は, 単一平面壁には見られない性状を示し, 建物全体のねじれ挙動や終局的な強度に大きな影響を与える. 筆者はこれまで, 等辺のL字型開断面耐震壁の実験研究を行ってきたが, 二方向に複雑な挙動を示す荷重と変形の関係を解析的に説明づけるためには, L型断面を構成する平面壁の, 壁周辺柱の伸縮をも含めた変形性状を明らかにすることが必要であると考えられた. そこで今年度は, 主として平面壁の変形に関する実験資料を得ることを目的として, 各種の応力下における平面耐震壁の水平加力実験を行った. 試験体の種類は, 変動因子としてシアスパン比が3種, 壁高さが3種, 柱主筋比が3種および軸力の有無の組合せで合計15種類である. 主な研究成果はおおよそ次のとおりである. 1.シアスパン比が同一で壁高が異なる場合の亀裂状況は, 曲げ破壊型の場合には壁高によらず壁高の低い方の範囲でよく類似しているが, せん断破壊型の場合には壁高が低いと斜め亀裂が壁板全面にわたって密に発生し, 壁高が高いと隅角部を結ぶ対角線上付近に多く発生する. 2.同一シアスパン比で同じ曲げ破壊型であっても, 壁高が高いほど変形能力が乏しくなり, せん断破壊型に移行することもある. 3.せん断初亀裂荷重は, シアスパン比が大きいほど小さくなる. 4.塑性理論を応用した終局強度式による耐力は, 同一シアスパン比の場合の壁高による終局耐力の変化の傾向も含めて, 実験結果に良く適合した. 5.曲げ降伏以前の曲率分布は, シアスパン比, 壁高, 柱主筋比および軸力の有無を問わず, 概ね3次曲線で表すことができ, 壁脚の曲率から曲げ変形を推定できる. 6.曲げ降伏以後の壁周辺柱の軸方向ひずみは, 引張側柱を弾塑性の変断面材としたトラスモデルによって表すことができる. また, 圧縮側柱脚部が回転の中心となって壁項に水平変形が生ずるとする変形機構についても良く適合している.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 荒井 康幸: 日本建築学会北海道支部研究報告集構造系. 61. (1988)

  • [文献書誌] 荒井 康幸: 日本建築学会北海道支部研究報告集 構造系. 61. (1988)

  • [文献書誌] 荒井 康幸: コンクリート工学年次論文報告集. 10. (1988)

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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