A)微粒物質の付着機構 コヌリート面への浮遊微粒子の付着機構は、(1)分子間力、(2)静電気、(3)凝結水膜、(4)機械的アンカによるものに分類整理することが適当との結論に至った。 B)コンクリート壁面の汚染の表示方法 汚染のコンクリート壁面における位置、図形および模様をそれぞれ6〜7種に分類整理できることを示した。また、汚染の程度は測色色差計で測定した3刺激値によって表示するのが適当で、特それらから算出される色差値が好ましいことが分かった。 C)汚染促進試験機の性能研究 試作した汚染促進試験機の性能と、これを用いる代替汚染物質の妥当性を検討した。その結果、当該促進試験およびこれによったコンクリート壁面の汚染程度の評価方法が有用なものであることを確認した。 D)コンクリートの材料特性と表面汚染 表面汚染に及ぼす材料 特性の影響は、表面粗さ定数が最も大きく、次いで水セメント比である。特に表面の劣化が進み、粗さが進んだものでは汚れが著しく目立つことが指摘された。これらに較べると、スランプ及び骨材粒径の代償の影響は相当に小さい。なお、乾湿が繰り返される場合には、コンクリート表面に生成するエフロレッセンスが、汚れの程度に大きく関与する。 E)各種材料面の汚染特性 各種仕上げ材料の汚染に対する特性を明らかにし、仕上げ材料によるコンクリート壁面の汚染防止対策の基礎的資料を得ることができた。
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