研究概要 |
1.中層集合住宅における住まい方と結露に関するアンケート調査:昭和62年1月, 八戸市内の公営集合住宅約1000戸を対象にアンケート調査を実施した(回収率61%). 全体で結露で困っている住宅は74%であった. そのうち, 被害を強く訴えている約30戸については実地調査を行なった. 対象とした住棟は, 建設年次により, 平面型, 断熱仕様が異なり, 6種類に分類される. 「建物種別」では, 特に押入に結露被害の多いもの, 壁体に被害の多いものがあり, 前者は平面型に, 後者は断熱仕様に問題が指摘できる. 「家族数」については, 多くなるにつれて結露で困っている 戸が多くなる傾向にある. 「炊事するときに換気扇を回すか」と結露との関係では, 住戸面積が最も小さい(41〜46m^2)住戸型では, 明白な関係があり, 面積が最も大きく(71m^2), 台所が内側で窓を持っていない住戸型では, 関係が認められなかった. 「使用している暖房器具」については, 開放型灯油ストーブ1台のみとFF式ストーブ1台のみが, ともに28%と多く, 次いで煙突付ストーブ1台のみが17%となっている. その他は同種複数台使用が, 異種の併用となっている. 主たる暖房器具として分類すると, 開放型43%, FF式35%, 煙突付21%となる. 使用している暖房器具と結路の関係は, あまり明確でない. 「使用暖房器具」と「加湿の工夫」との関係では, 開放型と煙突ストーブでは「ヤカン等で湯気を立てている」住戸が多く, FF式ストーブ使用では「加湿器を使用している」住戸が多い. 以上はアンケート結果の分析の一部であるが, 今後さらに分析・検討を加える予定である. 2.集合住宅における温湿度の実測調査:昭和63年1月〜2月に, 集合住宅6戸, 戸建住宅2戸について各々一週間温湿度の実測調査を行なった. この調査結果の整理・分析については, これから次年度にまたがり行なう.
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