研究課題/領域番号 |
62550426
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
須川 修身 東京理科大学, 火災科学研究所, 講師 (60162856)
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研究分担者 |
森田 昌宏 東京理科大学, 理学部(応用数学), 助手 (10120221)
川越 邦雄 東京理科大学, 火災科学研究所所長, 教授 (30103039)
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キーワード | 火災上昇気流 / クリーンルーム / シミュレーション / 下降流(ダウンフロー)対向流 |
研究概要 |
実大層流クリーンルーム内で温度、流速測定および流れの可視化を行った。火源には円形火源と線状火源の2種類を使用した。 〈垂直温度〉下降流が存在する流れ場における火源中心軸上の平均温度分布は、下降流の冷却作用によって温度上昇の割合が小さくなるが、下降流の有無に関わらずブリューム領域では燃料表面からの高さの-5/3乗に比例して温度降下が起こる事が明らかになった。しかし吹き出し付近ではこの関係は成り立たない。 〈水平温度〉水平方向の平均温度分布は火源表面に近付くにつれて高温領域の広がりが円環状に顕著に現れる事が解った。これは下降流によって燃料表面に形成した火災の前後左右への揺らぎに起因する。 〈流速〉温度と同様に自由空間の性状を継承しているといえる。 〈区画内の気流性状〉層流下降流と火災上昇熱気流が作り出す流れの可視化を行った。火源から発生した熱気流は下降流に対抗しつつ火源軸に沿って前後左右に揺れながら上昇する。熱気流の到達高さは火源の発熱量に依存するが1〜10KWの実験範囲では、火源上少なくとも2mまで上昇した。火災熱気流は、既に区画内に存在した下降流によって床下に運ばれるために火源上に傘を広げたような形状を見せた。火災気流がもたらす乱れのために混合現象が顕著になる結果、区画内のかなりの空間および床や壁を数秒のうちに煙によって汚染する事が解った。 〈ブリューム性状〉上述の流れ性状から判断するとモデル火災火源規模や下降流の存在に関わらず、自由空間でのブリュームの性状を継承している考えられるが、下降流による火災ブリュームの幅の拡がりなどは明確ではない。そこでこの割合を区画の大きさ、火源からの発熱量、上昇気流に伴う質量流量、火源からの高さ、下降流速(あるいは下降流量)などとの関係から定量的に把握することが次年度の課題である。
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