研究課題/領域番号 |
62550437
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
友清 貴和 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (70150539)
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研究分担者 |
染川 浩 鹿児島大学, 工学部, 助手 (60145456)
松井 宏方 鹿児島大学, 工学部, 教授 (70165752)
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キーワード | 農地 / 信託制度 / 高齢化 / 医療福祉 / サービス体系 |
研究概要 |
高齢化農村の典型事例である、鹿児県下5ケ町を選定し、世帯主が65才以上、かつ、農業後継者不在農家合計135戸に対し、収入・生活費、営農状況、老後の住まい方の3点からヒアリング調査を行い考察し、以下の点を明らかにした。 1.収入・生活費について 対象農家の収入は、農業所得(総収入の60%で推定)60万円/年以下の家庭66%、農業外所得150万円/年以下の家庭50%、総所得のうち年金の占める割合70%以上の家庭52%。全体の73%の家庭では年間240万円の生活費で、生経を維持している。 2.営農状況について 所有する農地は、2ha以下が36%、2.5ha以下が57%で、中規模以下の農家が大半を占める。このうち全農地を他人に貸付けている農家の割合は6.7%、50%以上貸付けている農家は17%に達する。また農地の登記が不正確であり、実質的に自分の農地であっても、自分名儀になっていない土地の割合が高い。調査対象農家の22%は、世帯主または配偶者名の土地をほとんど持っていない。このことは、今後の土地信託等に大きな障壁となろう。また、農地を積極的に活用しようという意識も低く、自分達の死後は子供達の意向に従うと思われる。 3.老後の住まい方について 全世帯の90%は、老後も現在の住宅に住むことを考え、ある程度自分の身の廻りのことができる限り、一人になっても現在の土地を離れたくないという意向が強い。老後、活動が不自由になっても、施設に入所するとか在宅サービスを受けようという意識が少なく、農村の高齢者と都市の高齢者の間に、老後の生活意識に対する差が認められる。 以上、高齢化農村の特徴を明らかにすることができた。
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