研究課題/領域番号 |
62550444
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研究機関 | 米子工業高等専門学校 |
研究代表者 |
片木 克男 米子工業高等専門学校, 建築学科, 助教授 (30043607)
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研究分担者 |
和田 嘉宥 米子工業高等専門学校, 建築学科, 助教授 (90043603)
熊谷 昌彦 米子工業高等専門学校, 建築学科, 助教授 (80178061)
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キーワード | 山陰地域 / 近世城下町 / 歴史的街区の空間構成 / 宅地割 / 共用空間 / 運営管理 / 計画プロセス |
研究概要 |
1.「旧城下町松江市の歴史的街区の街区構成の特性に関する分析」の項では、松江について明治初期の都市構造の一側面を、土地台帳の原本とみなされる「沽券大帳」によって分析したが、屋敷地の地積と地価の相関関係をみると、相対的に旧町屋敷は地積が小さく地価が高いが、武家屋敷は地積が大きく地価が低く、明治初期の市街地の土地所有形態は藩制時代の武家屋敷の基本構成を踏襲していることが明らかになったが、歴史的街区が近代社会に移行する中で、その都市構造を如何に継承してきたかが確認できた。 2.「歴史的街区における住宅・宅地レベルの利用・管理形態及び規範に関する分析」の項では、個々の宅地の利用と密接な関係にある街区レベルの土地利用変化の動向を把握するために、旧城下町松江市の中心市街地を形成する広大な旧武家地のうち、規模、形態及び都心からの距離の異なる3街区をとり上げ、その宅地割の変遷を検討した結果、筆の細分化傾向と、他方隣接筆へ所有界を拡大するという、土地利用をめぐる土地所有単位の二極分解化の傾向がみられた。さらに、筆の細分化をすすめる分筆、及び反対に筆の拡大化をすすめる合筆は共に都心に近い程すすんでいることがわかり、都で部程先の二極分解化の動きが激しいことがわかった。 3.「共用空間の管理運営形態に関する分析」の項では、川辺の再整備計画等の面的整備では運営管理上、以下のことが必要である。 (1)現在の政府の財政制度の単年度ごとに事業を起債する方式ではなく、長期的な予算の枠組ができる方式の検討が求められる。 (2)整備計画に関連する機関相互の円滑なコミュニケーションが重要であり、計画のプロセス全体を見渡す統括機関の存在が求められる。
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